2024.04.16
在宅医療における2024年診療報酬改定では、質の高い在宅医療を提供する体制を構築し、患者さんの状態に応じた適切な訪問診療・往診を推進するために、さまざまな内容が改定・見直されています。
本記事では、おもな改定ポイント・内容を解説します。在宅医療に関わる改定内容を理解し、在宅患者さんのために質の良い医療を提供しましょう。
2024年6月1日に施行される診療報酬改定では、医療・介護・障害サービスのトリプル改定が進められます。
在宅医療においては、医療と介護の連携を強化する地域包括ケアシステム(住まい・医療・介護・予防・生活支援がバランス良く提供される仕組みを作ること)の推進が重要視されています。
在宅医療の分野においても、介護・障害サービスの分野と情報共有し、患者さんが治療に向かえるようサポートすることが大切です。
在宅医療の診療報酬改定では「質の高い在宅医療提供体制の構築の推進」と「患者の状態に応じた適切な訪問診療・往診等の推進」の観点で見直しがなされます。
それぞれの視点で見直されるおもなポイントについて解説していきます。
質の高い在宅医療提供体制の構築を推進する観点から、訪問診療・往診などに関して、おもに以下の内容の新設・見直しが進められています。
いずれも在宅で療養中の患者さんなどに対してICTを活用して連携体制を構築し、質の高い在宅医療の提供を目的として見直しがなされました。
他の保険医療機関の関係職種が、ICTを用いて患者さんに関わる診療情報などを記録し活用後、医師が計画的な医学管理をおこなった場合、以下の点数が算定されます。
在宅医療情報連携加算(在医総管・施設総管・在宅がん医療総合診療料) 100点
ICTを活用して記録する際は、以下の点を適切に記録することが求められます。
在宅で療養をおこなっている末期の悪性腫瘍の患者さんの病状が急変した際に、ICTの活用によって、医療従事者の間で共有されている「人生の最終段階における医療・ケアに関する情報」を踏まえ医師が療養上必要な指導を行った場合、以下の点数が算定されます。
在宅がん患者緊急時医療情報連携指導料 200点
在支診(在宅療養支援診療所)・在支病(在宅療養支援病院)以外の保険医療機関が訪問診療をおこなっている患者さんに対して往診をおこなった場合、以下の点数が算定されます。
往診時医療情報連携加算 200点
在支診・在支病以外の保険医療機関がおこなう訪問診療について、在宅での療養をおこなっている患者さんが安心して24時間対応を受けられる体制の整備を促進する観点から、以下の見直しがなされています。
対象となる範囲を病院まで拡大し、他の保険医療機関と定期的なカンファレンスをおこなったり、ICTを用いて平時からの連携体制を構築したりしている場合の評価が見直されています。
在宅ターミナルケア加算について、死亡日および死亡日前14日以内に退院時共同指導を実施した上で訪問診療または往診を実施している場合においても以下の点数が算定されます。
往診料 在宅ターミナルケア加算 3,500~6,500点
また、看取り加算については退院時共同指導を実施した上で往診を行い、在宅で患者を看取った場合に往診料として以下の点数が算定可能です。
往診料 看取り加算 3,000点
在宅患者訪問診療料のターミナルケア加算で対象となる患者さんの定義は「死亡日および死亡日前14日以内の計15日間に2回以上往診または訪問診療をおこなった患者」のみでしたが、改定後は「退院時共同指導を行った患者さん」も対象になっています。
訪問診療・往診などに関して、おもに以下の内容の新設・見直しが進められています。
患者の状態に応じた適切な訪問診療・往診等を推進する観点から上記の内容が変更されています。
在宅時医学総合管理料及び施設入居時等医学総合管理料の算定における単一建物診療患者の数が10人以上19人以下、20人以上49人以下および50人以上の場合の評価が新設されました。
また、処方箋料の再編に伴い、在宅時医学総合管理料・施設入居時等医学総合管理料の評価が見直されています。
在支診・在支病における在宅患者訪問診療料の算定について、患者1人当たりの直近3月の訪問診療の回数が12回以上の場合、同一患者につき同一月において訪問診療を5回以上実施した場合、5回目以降の訪問診療については所定点数の100分の50に相当する点数によって算定されます。
ただし、訪問診療の回数の計算対象にならない患者さんは以下のとおりです。(一部抜粋)
頻回訪問加算について、当該加算を算定した後の期間に応じた評価に見直されています。
もともと頻回訪問加算として月に600点が算定されていたのが、初回が800点、2回目以降が300点に変更されています。
包括的支援加算について、要介護度と認知症高齢者の日常生活自立度に関する対象患者の範囲を要介護度3以上と、認知症高齢者の日常生活自立度のランクⅢ以上に見直されています。
対象患者の条件に新たに「麻薬の投薬を受けている状態」が追加されました。
在宅医療とは高齢になっても病気や障害の有無にかかわらず、住み慣れた地域で自分らしい生活を続けられるよう、入院医療や外来医療・介護・福祉サービスと相互に補完しながら患者の日常生活を支える医療です。
「質の高い在宅医療提供体制の構築の推進」をするために、ICTを活用することが必須になっているため、今後ますます訪問診療における電子カルテやレセプト・請求システム、勤怠管理システムやチャットツールなどが普及していくことが予想されます。
「患者の状態に応じた適切な訪問診療・往診等の推進」をするために、加算対象となる患者さんの条件が広範囲になり、より多くの在宅患者さんへ医療が提供できるようになるでしょう。
在宅患者さんのQOL向上のために、ICTを利活用し、質の高い訪問診療をおこなっていくことが求められます。
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